sifue's blog

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スタバではグランデを買え!〜価格と生活の経済学〜

あけましておめでとうございます!
このお正月、結婚後初めての親戚めぐりをするなかで読めなかった本をいろいろ読んでいたのですが、結構面白い本をみつけました。

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

この本です。
内容は、生活の観点からどのように取引コストが生じ、値段に上乗せされているかという話なのですが、話は多岐にわたり、製造工程的観点と政策的観点なども織り交ぜられています。
 
結構知っている話も多かったのですが、

  • 第3章 大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?
    • 企業は、高くても買う消費者にはできるけ高く売ろうとする
  • 第7章 経済格差が、堅実にはなかなか是正できないのはなぜか?
    • 所得よりも資産格差の方が大きな問題である
  • 第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?
    • 安易に政府に頼る国民は、結局大きなツケを負わされる

 
この部分がかなり面白かったです。
3章で出てくる、「基本機能だけの製品では、企業はさほど儲からない」の部分では、最近、企業はいかに他と差別化し、独占的な付加機能を武器に価格差別をおこなうかというところが重要であると書いてあります。さらに、時計を購入する際にもっとも重要視する点として「デザイン」をあげた人が一番多かった(2007年2月12日の日本経済新聞)などのデータなどから、モノづくりをする企業に取って、デザインなどがユニークである、コンセプトがユニークであるということが価格戦略に置いて重要であることを述べています。勉強になりますね。
その他、7章では、資格(一部のものを除き)や容姿で稼げる仕事がなぜ給料が低いままなのかということや、それ以上に資産としての職業・役職、収入よりも資産に対しての税をかけなければ日本の累進課税はうまくいかないという例を説明しています。これも新しい視点で勉強になりました。
あと、第8章の話は、まあ当たり前の話ですが、ただでさえ少ない小児科医の今の状況で子供の医療費無料化は、待ち時間の長時間化を引き起こすだけで、問題を深刻化することを述べています。最近もたらいまわし事件が起こったばかりですしね。政策は逆行の道を走っていますが、著者の意見としては、産婦人科医や小児科医の給与を増やして人数を増やした方が、厚い医療ができるのではと書いてありました。確かにその通りだなと思います。
この週末にぜひひとつ読んでみても良い本かなと思います。オススメです。
 
あと、性懲りもなく

図解革命!業界地図最新ダイジェスト〈2008年版〉

図解革命!業界地図最新ダイジェスト〈2008年版〉

こんな本を買って去年の日本は好景気だなぁなんて思ったりもしました。
 
それと今年の始めにポールサミュエルソン

要は、「経済を拡大させるには生産性の上昇と投入量の増加の二つしかないが、ニッポン人にはあまり生産性を上昇させる知恵を期待できそうにない。だったら投入量を増やせ(老人も女性ももっと働け。インフレも人間を忙しく働かせる効果がある。頭を使うことが出来ないならせめて足を使え)という提言だ。

「日本の高度成長もその後の急激な落ち込みも意外ではなかった、今やるべきこともごく当たり前のことだ」
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C1570102516/E20080104151920/index.html
こんなことを言っていたそうです。日本人は生産性を期待できないんすねぇ(苦笑)これは一人の人間の限界まですでに引き出すほどがんばってるってことなんでしょうか。勤勉の裏返しの意で。