sifue's blog

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ヒロシマ・ノートを読んで、自分と向かい合う。

ヒロシマ・ノート (岩波新書)

ヒロシマ・ノート (岩波新書)

ここ最近、最低週3冊ぐらいずつ本を買っていて家計を切迫させているしふーですが、久しぶりのアタリがありました。大江健三郎ヒロシマ・ノートです。
原爆の文学(あと漫画)は、結構自分が好きで、漫画では「はだしのげん」や「桜の国、夕凪の街」なんかはこのブログでも紹介したかもしれませんが、当事者ではない視点からの原爆文学として心に残る本になりました。
カバーより。

ヒロシマの悲劇は過去のものではない。一九六三年夏、現地を訪れた著者の見たものは、十数年後のある日突如として死の宣告をうける被爆者たちの”悲惨と威厳”に満ちた姿であり医師たちの献身であった。著者と広島とのかかわりは深まり、その報告は人々の胸を打つ。平和の思想の人間的基盤を明らかにし、現代という時代に対決する告発の書。

なんか自分が紹介するよりも、カバーの文章の方がうまく体現してくれています。昔から自分の感性もずいぶん変わってきたのか、生きるということ、幸せ、平和ということ、人とのかかわり、そして孤独、そういったものと対峙することが多くなってきたように思います。
 
最近自分自身でゆっくり考える時間が重要なこともよく感じます。
 
自分の心の事は他人という鏡を通してからしか知る事ができないということは、真理かもしれませんが。それをまた解釈するために自分自身と向かい合う時間も必要なのだろうなという風に感じます。そのために良いのが意外と文章を書く事だったり、本を読む事だったりするんじゃないかと思います。
もちろんそういう精神活動は人との直接コミュニケーションの時間を多く取った上で、より活きてくるものではありますが、そういう精神活動を多いに邪魔してくれるものとしては、「テレビのだら見」、「だらだらとしたネット利用」、「携帯電話」なんかがあるんじゃないかと思います。
テレビは、言わずと知れた脳のリソースを企業の商業用情報のためにプレゼントする行為。だらだらとしたネット利用も同様(とはいえその媒体のSNSやネットゲーもさして広告で稼げてないという問題はあるんですが…)。携帯電話は、時間がかかる針の穴を通すようなコミュニケーションしかできないのに人と繋がってる感を醸し出して、コミニュケーションに時間をかけさせ、お金を搾取する道具ですね。共通点は、直接的なコミュニケーションにならない受動的な情報受信というものですが、こういうものって精神活動を邪魔してくれる気がします。
最近は比較的昔の本ばかりを読んでいるのですが、昔の人の方が精神的にレベルが高かったり、そして、すぐれた人間洞察力を持っているなとよく感じます。
それはなぜかなと思うと、他人との質の高い直接コミュニケーションの時間が現代人より遥かに多い(仮に会話をしない一緒に過ごすだけのコミュニケーションとかであれ)、そして、そのコミュニケーションに対して自分の行為や相手の行動の意図を考えるという精神活動に費やしている時間が遥かに多いのが理由なんじゃないかと思います。
自分が言うのもなんなのですが、夏目漱石などの「こころ」なんかでは奥さんの指の震えから、すごい情報量を引き出しているわけで、そういう洞察力や高いコミュニケーション能力は現代人にはないのではないかと思います。このヒロシマ・ノートも同様です、伊達にノーベル賞とってない。
こういう経験値が少ない事で現代人は、くだらない事で怒らなくてはならなかったり、高い倫理感に基づいて行動できなかったり、ちょっとしたことで不安になったりしなくてはならない気がするのです。
というわけで自分の場合、最近は、能動的に、自らの意志で情報を取得しないような「テレビのだら見」、「だらだらとしたネット利用」、「携帯電話」を極力減らし、会社でのコミュニケーションや奥さんとのコミュニケーションや読書や物書きに時間を費やしたいなと思っています。
受動的に情報を受け取らないようにしようってことで、会社でもメールも昔は、1分おきに通知が常識だったのですが、今では自動受信をストップしています。(もちろん気づいたら必ず能動的にメール受信しています)会社ではこれでびっくりする程仕事の効率があがりました(笑)うーん不思議。もしよかったら、試してみることをおすすめします。
最近はこんなにもありますしね。→仕事が10倍とはならずとも3倍は早くなるたった一つの方法
 
追伸
橋下徹府知事が小中学校で携帯電話禁止にしようとしていると行っていますが、大賛成ですね。
正直今の携帯電話は、昔のゲームボーイよりゲーム機だし、何より精神的成長を遅らせることになってしまうんじゃないかと思います。

  • 「メールの返事がこないと不安」子どもの携帯依存傾向

http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/05/post_3500.html
こういうのを見ても、強くそう感じます。