sifue's blog

プログラマな二児の父の日常

医者と研究者のマインドの差―静岡がんセンターにて

sifue2006-01-28

今日は朝8時から帝人フォーラムの後半戦がはじまり、いろんな大学の教授の講演を13時まで聴いてきました。一番面白かったのは、液体で泡ができるときのレオロジーを研究している方のもので、コーラとビールの泡の消える速さに違いがどのように生じるのかというのを研究していて、新しい繊維などのモデルとなるナノオーダーの泡を含有させる技術などが紹介されていて非常に勉強になりました。講演が終わってから富士裾野教育研修所で昼食を食べ、帝人の医療材料の部門のトップの方といっしょに、今度自分の研究室が入ることになっている静岡がんセンターを見学へ。ちなみに、この静岡がんセンターは最近の病院ランキングでがん治療で日本一を取ったすごいがん医療施設で、陽子線治療を行うためのシンクロトロンもあり、行ったついでに設備なども見せてもらったりしました。
ただ、そこで紹介を行ってくれたメディカルドクターの話などを聞いて、われわれ技術の立場にいる研究者と医者の気持ちには大きな差があることがわかりました。がんセンターでは毎日のように人ががんで亡くなっており、医師がそのための治療法をどんな手を尽くしても開発したいという気持ちでいるのに比べて、われわれ研究者は基本的には、技術的または科学的好奇心に突き動かされて研究している面が大きいと思いました。
大量のお金がつぎ込まれた静岡がんセンターの自分たちの研究室のスペースは、今後活用されていくこととなると思いますが、自分には人の命と向かい合って研究することがいかに重いことなのかということがひしひしと伝わり、たまに病院ですれ違うがん患者の人、家族の人たちの顔をみて、研究に対する気持ちがちょっと重くなってしまいました。自分自身はこの静岡がんセンターに駐在するメンバーではないのですが、医工連携というのがいかに難しいことなのかというのを思い知らされてた気がしています。
細胞工学や遺伝子工学を応用したがん治療などに自分たち技術の一端が使われるのはわかりますが、「命を救いたい」という気持ちの前では、技術者の純粋な探究心は何か摩擦を生じてしまうのではと不安になります。本当に医療の現場で、死と真っ向から向き合ってがんばっている人たちはすごいですね。尊敬の一言しかありません。
なんにせよ、非常に勉強になった一日でした。見学が終わって夕方になり助手さんと大学に無事帰ってきて、それから後輩たちと飯を食いながら話したりして一日が終了。今日は本当に疲れました。ちなみに写真は、静岡がんセンターの写真です。