sifue's blog

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生きた細胞の蛍光プローブ(GFP)を解像度70nmで見る顕微鏡、STED顕微鏡。

最近自分の研究ネタが多いんですがご勘弁。この7月に驚異的な論文が出ました。STED顕微鏡で生きた細胞の蛍光たんぱく質を見て解像度70nmを達成したという報告です。論文はNature MethodsとPNASの二つに同じ内容で出ています。
Nanoscale resolution in GFP-based microscopy
http://www.nature.com/nmeth/journal/v3/n9/abs/nmeth922.html
Macromolecular-scale resolution in biological fluorescence microscopy
http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pubmed&pubmedid=16864773
もともと共焦点顕微鏡などのレーザーを使ったポイントスキャニングを行う蛍光顕微鏡は光学限界を超えるために作られたわけだったのですが、これはさらにSTED(誘導放出減少)という物理的な現象を用いてさらなる高解像度を目指したものです。すごいのは生きた細胞でも行えるという点、さらに高速スキャニングをすればするほど解像度が良くなり、まだまだ改良中な点でしょうか。
とかいいつつ、こんなすごいレーザー走査顕微鏡、作ろうと思うと一体いくらぐらいかかるんでしょうね(苦笑)
いろいろ探してみるとより詳しく書いたブログがありました
ジャーナル・クラブに愛を込めて
http://blog.livedoor.jp/tyamashi_manson/archives/50870528.html

昨日は、前回の実験報告で思い付きで薦められた実験をやっていたのですが、無事良いデータが取れて満足。良いデータといってもネガデータだったりします(爆)いろいろ課題を残す形で情報が抽出できたのですが、これからどういう手を打っていくかなぁ。修士論文もそろそろ書かねば…。