「データベース実践活用」の連載をはじめました
本日発売のWEB+DB PRESS Vol.81からデータベース実践活用という記事の連載をはじめました。次回と次々回まで自分が担当する予定です。
- 作者: 長嶋享,藤吾郎,八木俊広,日高一明,滝口健太郎,田中慎司,泉水翔吾,海野弘成,佐藤太一,吉村総一郎,伊藤直也,川上大喜,こしばとしあき,舘野祐一,中島聡,橋本翔,渡邊恵太,はまちや2,竹原,川添貴生,沢渡真雪,WEB+DB PRESS編集部
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2014/06/24
- メディア: 大型本
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第一回目は、オブジェクト指向プログラミングを利用したDAO設計パターンの紹介です。DAOってあれですね、データアクセスオブジェクトです。RDBとかKVSとかファイルとかごにょごにょするオブジェクト群のことですね。
最近は、ORMとかいろいろ便利なライブラリが整備されてはきてるんですが、実際にはDAOの実装にはいろいろなパターンがあって、作るシステムの要件によって最適な実装というのは異なってきます。特に最近は、扱うデータストアがRDBだけじゃないってこともあってより、複雑なDAOの設計が求められています。
今回の記事の内容は、エンジニアが担当ソフトウェアアーキテクトになってWEBシステムを作る際、データストアの構成、ドライバの選定、ORMの選定までは済んだけれども、ソフトウェアの設計をどのようにしようかと悩んだ時に役に立てばいいな、という内容になっています。
今回紹介しているパターンは以下の表の通り。
パターン名 | 概要 | 用途 | 保守/拡張性能 | 実装コスト |
---|---|---|---|---|
トランザクションスクリプト | データベースに対する一連の手続きをタスクとしてオブジェクト化する手法。共通ロジックに関してはサブタスクにすることもある | 長期保守しない、パフォーマンスが求められるシステムの実装 | とても低い | とても低い |
テーブルゲートウェイ | データベースのテーブルに対しての処理のゲートウェイとなるオブジェクトを用意する手法 | 短期間の保守を行い、複数のテーブルをまたぐような複雑なビジネスロジックが存在しないシステムの実装 | 低い | 低いがテーブル間の関連が多いビジネスロジックの場合は高い |
アクティブレコード | データベースのテーブルが持つ特定の行をラップする手法。オブジェクトはデータと振る舞いの両方の特性を持つ | データベースの構造とビジネスロジックに乖離(かいり)が少ないシステムの実装。または、要求変化が少ないプロトタイプの実装 | 中程度だが単純なビジネスロジックの場合は高い | 中程度 |
データマッパ | 永続化対象、データベース、マッパ自体がそれぞれ独立したオブジェクトとなっている構造を持つ | 中長期の保守が求められ、複数のデータベースおよびテーブルより1つのオブジェクトを構成するようなある程度複雑なビジネスロジックを扱うことのあるシステムの実装 | 高い | 高い |
ドメイン駆動設計におけるリポジトリ | データマッパの抽象度をさらに高め、扱う永続化対象オブジェクトとビジネスロジックで扱うオブジェクトを分離する方法。また実際の永続化方法についてはビジネスロジックからの隠蔽(いんぺい)を行う | 長期保守が求められ、ビジネスロジックのデータベースへの依存を断ち切りビジネスロジックが凝集されたモジュールを構成しなくては保守が難しくなるような、とても複雑なビジネスロジックを扱うシステムの実装 | とても高い | とても高い |
特に、アクティブレコードパターンと、データマッパーパターン、ドメイン駆動設計(DDD)のリポジトリあたりは実際にどれを採用するか、WEBシステムのアーキテクチャなら一度は頭を悩ませたことがあるのではないかと思います。
実際にはどの方法にも良し悪しがあるので、これが一番!ということはできませんが、クラス図と共に細かく説明していますのでご一読頂ければ適切な判断ができるようになるのではと思います。
またDDDのリポジトリのは特に実際どのようにすべきかということで悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。なので今回は具体的な実装を十分に用意してみました。番組と番組タグという情報を例に取ったScalaの実装例を sifue/oopdb · GitHub および サポートページ:WEB+DB PRESS Vol.81:|gihyo.jp … 技術評論社 にて公開しております。sbtでビルドして動かすこともできるので気になる方はこちらの方をみてどのような構成になっているのか見てみてください。
追伸
実はサンプルコードを最初はJavaで書いてくれと言われたのですが、PoEAAやエリック・エヴァンスのDDD本にもJavaのサンプルコードは沢山あるし、Scalaの方が短くかけて構造が簡潔に伝わりやすいと思い、Scalaを選択しました。型があるのに短くかけるScala、いいですね。
さくらVPSのCentOS6.5を最初からセットアップする時にしたこと
CentOSのバージョンを上げないといけない自体になったので、久しぶりにセットアップ作業。その記録をメモ。
Heartbleed脆弱性のために最新版OpenSSLの確認
# openssl version
全ライブラリのアップデート
# yum update
SSHのポート変更して再起動
# vi /etc/ssh/sshd_config
# service sshd restart
ユーザーの追加とパスワードの設定とsudoerの追加
# adduser hoge
# passwd hoge
# visudo
コンソール作業の必須ツールのインストール
# wget http://pkgs.repoforge.org/tmux/tmux-1.6-1.el6.rf.x86_64.rpm
# yum localinstall tmux-1.6-1.el6.rf.x86_64.rpm
# wget http://pkgs.repoforge.org/git/git-1.7.10-1.el6.rfx.x86_64.rpm
# yum localinstall git-1.7.10-1.el6.rfx.x86_64.rpm
# wget http://downloads.sourceforge.net/project/zsh/zsh/5.0.5/zsh-5.0.5.tar.gz
# cd zsh-5.0.5
# ./configure
# make
# make install
# vi /etc/shells
最後に/usr/local/bin/zshをshellsファイルに足す
http://d.hatena.ne.jp/hits-inju669/20131123/1385221276
を参考にvim7.4をインストール
# yum groupinstall 'Development tools'
# yum install ncurses ncurses-devel
# cd /usr/local/src
# wget ftp://ftp.vim.org/pub/vim/unix/vim-7.4.tar.bz2
# tar -xjf vim-7.4.tar.bz2
# cd vim74
# ./configure --prefix=/usr --with-features=huge --enable-pythoninterp --enable-luainterp
# make && make install
SSH鍵の作成
$ ssh-keygen
公開鍵をgithubに登録した後、
https://github.com/sifue/dotfiles
dotfilesをチェックアウトしてsetup.shで設定
ZSHに変更
# chsh
VimのNeoBundleをインストール
https://github.com/Shougo/neobundle.vim
その後、:NeoBundleInstallをvim上で実行して最低限の設定は完了。
PHP開発においてVimやST2にはできないけれどPHPStromにはできる10のこと
【blog.soichiro.orgの閉鎖にともない転載しました】
今まで散々VimとSublime Text2のエントリーばかり書いていた自分ですが、運良くIntelliJ IDEA UltimateのオープンソースライセンスをJet Brain社から頂いたこともあってPHPStorm (IntelliJのPHPプラグイン)を利用し始めました。 このスクリーンショットのようなUIです。
PHPStorm、さすがは有料のPHP用のIDEだけあってST2やVimのプラグインでできる機能とは格が違う自動生成やリファクタリング機能を持っています。お値段はコマーシャルライセンスで$199、個人で$99、学生で$29という高価格帯。にも関わらず、FacebookやMediaWiki、zyngaやVALVE(洋ゲー販売のSteamで有名な)で正式採用されるIDEなだけあります。
ぶっちゃけて言うと、このクソ言語を使って大規模開発をせざるを得ないPHPerで、懐に余裕のある方にはぜひオススメしたいIDEです。
一日3時間以上PHPを書いたり、読んでいたりする人は買って損はないかと思いますが、ただこの価格なので無理強いすることはできません。なので、利用するかどうかの判断材料になるようにとVimやST2にはできないけれどPHPStormにはできる機能だけをまとめることにしました。
ちなみに、それVimやST2でもできるよ、って言いたくてVimのプラグインやST2のパッケージを作って下さる方もいるとは思いますが、2013年3月12日時点で自分が満足にいく拡張を見つけられなかったものだけをまとめてあります。
1. 型情報のあるコメントを補完するゲッターセッターの自動生成
GetterSetterのジェネレーターというのは結構エディタにもプラグインが存在しているのですが、型情報のコメントまで丁寧に作ってくれるジェネレーターはなかなかありません。以下の様な手順です。
以上のエンティティクラスで右クリックしてGenerate...を選択します。
その後出てくるコマンドでGetters Settersを選択します。
GetterやSetterを生成したいフィールドを選択します。
このように型情報コメントを保管するゲッターセッターを自動生成してくれます。
さすがにここまでやってくれるエディタのプラグインはありませんでした。
2. コンストラクタの自動生成
ゲッターセッターの自動生成プラグインは結構な数あるのですが、コンストラクタの自動生成は中々ありません。先ほどのエンティティクラスで右クリック、Generate...で出てくるコマンドで、Constructorを選択します。
コンストラクタで代入したいフィールドを選択します。
このように簡単にコンストラクタが自動生成されます。
3. オーバーライド可能なメソッドの自動生成
継承クラスのオーバーライドしたいメソッドも自動生成してくれます。以下のようにまずクラスを継承します。
その後、また右クリックのGenerate...からOrveride Methods...を選択します。
次にオーバーライドしたいメソッドを選択します。
すると以下のようにメソッドが自動生成されます。
4. 未実装のインターフェースのメソッドの自動生成
クラス宣言のimplements句にインターフェースを設定します。メソッドが未実装なので赤いラインでエラーが出ていますが、右クリックのGenerate...からImplement Methods...を選択します。
このように、実装しなくてはいけないメソッドが自動生成されます。
5. メソッドの呼び出し階層の表示
メソッドの呼び出しがどこで行われているのかを、再帰的に知りたい場合はメソッドを選択して、メニューのNavigateからCall Hierarchyを選択します。
すると、再帰的にどういうふうにメソッドが呼ばれているのか見ることができます。
この場合は、handleメソッドを呼んでいるstartメソッドが更にBasicAuthenticationLitenerのhandleメソッドから呼ばれていることがわかります。
6. クラス名、メソッド名、変数名の全ファイル自動リファクタリング
命名を変更するリファクタリングも強力で、全てのファイルを自動的に修正してくれます。まずクラス名などを選択して右クリック、Refactor > Rename...を選択します。
変更したいクラス名を入力します。
ファイル自体の変更を確認したOKを押すとリファクタリング完了です。
ファイル名はもちろんのこと、全ての呼び出し元のクラス名が修正されます。非常に強力です。
ただしこのリファクタリング、全ファイルを自動的に書き換えるという強力さ故にUndoはできないようですので、慎重に実施ください。
7. 変数、定数、フィールドへの抽出
変数、定数、フィールドへのくくりだしも簡単です。変数にくくり出したいときは、くくりだしたい部分を選択して、右クリックRefactor > Extract > Variableです。定数の場合はConstant、フィールドの場合はFieldを選択します。
変数名は何がいいか聞かれるので入力します。
このように変数に抽出されます。
8. 処理のメソッドへのくくり出し
処理のメソッドへのくくりだしも自動です。どの変数使ってるんだっけなというように頭を悩ませることもありません。処理を選択して、右クリック Refactor > Extract > Methodを押します。
メソッド名と引数の順番を聞かれるので設定します。
このように処理がメソッドに抽出されます。
9. 使ってないインポート文(use句)の表示
使ってないインポート文はこのように、灰色に表示されてわかりやすくなっています。
10. タイプヒンティングとデフォルト値を元に型情報を補完するPHPDocの自動生成
GetterSetterの所で型情報の入ったコメントが自動生成されるので基本的に同じなのですが、ファイル上で右クリックしてGenerateを選択した後、PHPDoc Blocks..を選択します。
このように、タイプヒンティングとデフォルト値を元に自動的に型情報を持ったPHPDocを自動生成してくれます。うーん便利。
以上です。まとめると、
1. 型情報のあるコメントを補完するゲッターセッターの自動生成
2. コンストラクタの自動生成
3. オーバーライド可能なメソッドの自動生成
4. 未実装のインターフェースのメソッドの自動生成
5. メソッドの呼び出し階層の表示
6. クラス名、メソッド名、変数名の全ファイル自動リファクタリング
7. 変数、定数、フィールドへの抽出
8. 処理のメソッドへのくくり出し
9. 使ってないインポート文(use句)の表示
10. タイプヒンティングとデフォルト値を元に型情報を補完するPHPDocの自動生成
これが自分がまとめたVimやST2にはない、PHPStormの機能でした。
細かい所で言うと各種タグジャンプや補完機能、シンタックスハイライトやコードスタイルの設定などもIDEならではの上をゆく便利さがあります。ただこのへんの機能は頑張ればVimやST2でもある程度用意可能なので割愛します。
なお自分は、リモートのPHPファイルを編集する必要があったので、ローカルにバージョン管理システムを使ってチェックアウトしたソースコードをPHPStormのDeployment機能のAutomatic Upload機能を使って、リモートのマウントしているディレクトリに自動送信させて使っています。
リモートにしかPHPが動かせるサーバー環境があいよという方は、このようにSSHやSambaなどでリモートディレクトリをマウントして、Deployment機能を使ってやるこのやり方がよいと思います。ちなみに最初はマウントしたリモートディレクトリをそのままPHPStormのワークスペースとして利用しようとしましたが、あまりの重さに使い物になりませんでしたw
一応PHPStormは30日間は無料でお試しできますので、一度は使ってみるのも一つなのではないかなと思います。
以上、ここまで読んでくださり誠に頂きありがとうございました。
ScalaとSlickで発言数順位表示と名言記録をするIRCボットを作りました
【blog.soichiro.orgの閉鎖にともない転載しました】
最近IRCボットを書いたりすることが多いのですが、また汎用的なものを一つ書いてみたので公開します。今回は初めてORMとしてSlick、組み込みDBとしてH2を使ってみましたが。Slickは内部処理がわかりにくいが関数言語的にかける特徴的なORM、H2はSqliteよりも軽快でWebベースのGUIがデフォルトで用意されていて非常に使いやすい印象でした。
今回のビルド可能なソースコードは、GitHubにて公開しています。
今回作ったRanking Ircbotについて
IRCの発言数ランキングと名言の登録、及び登録数のランキングをチャンネルごとに設定できるIRCのボットです。 複数のチャンネルに参加し、kickされても戻ってきたり、 オペレーター権限を与えられている場合、他の参加者にオペレーター権限を分け与えたりする機能があります。
ビルド方法
java(jdk6以上)とsbt(0.12.2)をインストールの上、
$ sbt
> assembly
以上を実行することで、targetディレクトリの中に、ranking_ircbot-assembly-2.X.jarがビルドされます。
使い方
ranking_ircbot-assembly-2.X.jarと同じディレクトリに、 ranking_ircbot_template.propertiesを正しく編集して、 ranking_ircbot.propertiesというファイル名で保存ください。 さらに、ranking_ircbot_empty.h2.dbを ranking_ircbot.h2.dbという名前に変更してください。
irc.address = hostname
irc.channel = #channelname1 #channelname2
irc.nickname = ranking_ircbot
irc.charset = UTF-8
db.url = jdbc:h2:file:ranking_ircbot
db.driver = org.h2.Driver
以上のようにチャンネルはスペース区切りで複数設定することができます。 日本語のチャンネル名は、native2asciiのwebサービスなどを利用して 入力することができます。
設定の後、
$java -jar ranking_ircbot-assembly-2.X.jar
で実行することができます。 またIRCのボットが入っているチャンネルにて
とするとWorking now.とnoticeを返して動作確認をすることができます。
使い方
ranking_ircbotが参加しているチャンネルにて以下のメッセージを打つと様々な機能が利用できます。
hourlyranking>
1時間の発言数ランキングの表示dailyranking>
24時間の発言数ランキングの表示weeklyranking>1週間の発言数ランキングの表示
monthlyranking>
30日間の発言数ランキングの表示yearlyranking>
1年間の発言数ランキングの表示覚えろ:{nickname} {message}
そのチャンネルで{nickname}の名言を保存{nickname} 曰く
そのチャンネルで保存している{nickname}の名言をランダムで発言消して:{nickname} {message}
そのチャンネルで{nickname}で発言登録された{message}を全て削除wiseranking>
そのチャンネルで保存されている名言の個数のランキングを表示ping {ircbot_nickname}
Working now. > {nickname} https://github.com/sifue/ranking_ircbot
と発言します。
以上のような機能を持っています。
Slickについて
今までScalaのORMにSquerylを使っていたのですが、今回はじめて、ScalaQueryの後継でtypesafeが作っているORMのSlickがScala2.10で使えるということで使ってみました。
今までのORMっぽくなく、かなり関数型言語っぽく書けるORMです。結構戸惑ったのは
このようにlist()を一度でも読んでしまうと、count関数がうまく流れないのではと思っていたら、ちゃんとselect count(*)が流れるように最適化されていたりするところが、ちょっとわかりにくかったところでした。
あと、GroupByの書き方がちょっと特殊でした。
のようにタプルで受け取る形式となります。このように短く取り扱おうと思うとタブルで受け取る形式になるので、このへんはうまく書かないとわかりにくくなってしまうかもしれません。確かに短くて済むのですがコードの可読性を保つためにはちょっと工夫が必要かなと思いました。
H2 databaseについて
ダウンロードして、梱包されているh2.shを実行して、dbのURLを入力してログインすると。
以上のようなUIが実行できて、自由に編集することができます。今まで使って来なかったのでこの親切さにおどろきました。すばらしい。
しかも実行速度もsqliteよりも速く、とても気に入ってしまいました。今後もH2は組み込みDBとして利用していければと思っています。
Play2.1でsbtのマルチプロジェクトビルド機能を利用してDDDのレイヤードアーキテクチャを強制する方法
【blog.soichiro.orgの閉鎖にともない転載しました - 2.2でも問題なく動くと思います】
Play2.1でDDDのレイヤードアーキテクチャをプロジェクトに強制して、大規模開発で誰かがうっかりルール違反が起こせないようにする仕組みを紹介します。
レイヤードアーキテクチャについては、じゅんいち☆かとうさんのスライドなどがオススメです。
http://www.slideshare.net/j5ik2o/ss-6227801
元々Play frameworkはMVCで作られることが前提とされていたため、デフォルトでは、
- controllers
- models
- views
というパッケージに全てを入れるようになっており、これらのパッケージは相互参照できるようになっていました。
ただPlay2系になってから、MVCのどの要素も任意の名前空間のパッケージに入れることが可能になったため、DDDの構成をパッケージ名として利用できるようになりました。
- org.hogehoge.ui
- org.hogehoge.application
- org.hogehoge.domain
- org.hogehoge.infrastructure
また、更にsbtの持つマルチプロジェクト機能を用いればサブディレクトリ内に複数のプロジェクトとを存在させ、それら個々に正しい依存関係だけのパスを通してビルドすることができるようになっています。
つまりこれを利用して、ドメイン層からはインフラストラクチャー層のクラスを参照できるが、インフラストラクチャ層からはドメイン層のクラスを参照できず、さらに、IntelliJ IDEA等のコードアシストにも出てこないようにすることができます。つまり、下の層から上の層を参照させないというDDDのルールを強制することができるのです。
なおこのたび紹介する方法は、
https://github.com/sifue/play2-layered-sample
にサンプルコードをpushしてあります。なおIDEはIntelliJ IDEAにしか対応させていません。
まず内容を説明する前に、DDDをplay2ではじめる方は最初に、全てのレイヤをそれぞれのjarにして、mavenリポジトリに入れてしまえば良いと考えるかもしれませんが、実は効率的ではない面もあります。それは、まずIntelliJ IDEAのワークスペースにマルチモジュール用意して、それぞれパスを通して回らないといけないからです。
そのため、jar分割数が増え10以上のモジュール(プロジェクト)を扱うようになると、開発環境構築コストが非常に高くなってしまします。なおEclipseにはpsfというチームプロジェクトセットという機能がありますが、そもそもEclipse自体がScalaのIDEとしておしいという問題があります。
その点、このsbtのマルチプロジェクトビルドを使った方法は、すべてのコードをサブディレクトリに入れて依存関係を構築します。
そして、"play idea"コマンドで、パスを一瞬で通し終えてくれます。逆にこの方法は、サブディレクトリでなくてはいけないのですが、利点として一つのgitプロジェクトで管理することもできるようになり。ニーズがあれば、gitのsubmodule機能などを利用してサブプロジェクトも別リポジトリで管理、それぞれパブリッシュしたり、sbt pacackageやsbt testをすることも可能となります。
ただこの方法、2つだけ制約があって、その2つは、
- UI層とアプリケーション層は分離できない点。これは、テンプレートの仕組みが同じビルド空間にないとコントローラーのクラスから利用できないという制約からきています。
- 次にUI・アプリケーション層を担当するプロジェクトは、play2のプラグインのモジュールとして作る必要があるという点。これは、UI・アプリケーション層ではPlay2のライブラリを参照しなくてはいけないからです。
なお、Play2のプラグインモジュールの作成方法は、
http://www.objectify.be/wordpress/?p=363
を参考にしました。とは言え基本的に、application.confを空にしたただのplayのプロジェクトを作っているだけとなります。
最終的に以下の様なフォルダ構成になります。
そして肝となるproject/Build.scalaの内容は、
Play2.1でレイヤー化アーキテクチャを強制するBuild.scala
のようになります。重要な部分は、settingsにideaのプラグインの設定をそれぞれのプロジェクトに引き継がせることと、ちゃんと一つ一つのプロジェクトの依存関係を定義することとなります。ちなみにdependsOnだけでも大丈夫なのですが、テスト時もサブプロジェクトのテストが実行されるようにaggregateとaggregate in Test := trueも追加してあります。
なおこの方法を拡張すれば、さらにドメイン層をコアドメインと汎用サブドメインにプロジェクト分割したい際にもうまくその依存関係方向の制約をプロジェクトに課すことも可能です。
この設定で、playのideaコマンドによる統合開発環境用の設定ファイルの作成、run起動、プロダクション用のstart起動、リリース用のzipに固めるdistコマンド、testコマンドによるspecs2のテストの実行などもできるようになっています。
また、最初のプロジェクトを作った状態からどのような変更を加えればこのようにするようにできるかもgithubのヒストリを見ればわかりますので、参考にしてみてください。
https://github.com/sifue/play2-layered-sample/commits/master
追伸
play test時にサブプロジェクトのテストまで実行するために、dependsOnに加えてaggregateでもプロジェクトを追加していますが。ファンクショナルテスト(結合テスト)しかしないつもりであれば、dependsOnだけでも大丈夫です。なお、aggregateだけではコンパイルが通りません。(じゅんいち☆かとうさん指摘ありがとうございます)
追伸の追伸
なお、サブモジュール内のspecs2のテストやScalaスクリプトを、IntelliJから実行する際に、コンパイルのエラーが発生する場合があります。それに関しては、以下の図のようにuse external buildのチェックボックスをオフにすることで回避することができます。
では良いScalaライフを!
FF14新生のチャットログを棒読みちゃんで読み上げるツールを作りました
【blog.soichiro.orgの閉鎖にともない転載しました】
プレイ中チャットログを見ずにボス戦をしたり、シャウトの募集待ちを読み上げたり、生放送実況をしながらFF14新生をプレイするために、チャットログを棒読みちゃんに読み上げてもらうツールを作成しました。
ダウンロードはこちらから↓
FF14Rep棒読みちゃん Ver1.0.5
https://github.com/sifue/ff14repbouyomi/raw/master/ff14repbouyomi-1.0.5-jar-with-dependencies.zip
使い方について
使い方は、まずJava7以上をインストール。
http://java.com/ja/download/
以上のサイトを見ながらインストール。
その後、棒読みちゃんをインストールして起動しておきます。
http://chi.usamimi.info/Program/Application/BouyomiChan/
以上のサイトのdownloadのページを見ながらインストールして、起動。
最後にFF14Repをインストールして起動しておきます。
http://xivparser.blogspot.jp/
以上のサイトのdownloadのページを見ながらインストールして、起動。
最初の起動直後に求められるFF14新生のドキュメント>My Games以下の更に二階層下のlogフォルダ設定をお忘れなく。
その後、右上の†のアイコンの設定から、
リアルタイムログ検出をONに。
ログファイル自動更新間隔を0.2秒にしておきます。
最後にこのサイトからダウンロードしたzipを解凍し
ff14repbouyomi-X.X.X-jar-with-dependencies.jar
をダブルクリック。
FF14Repのログフォルダの選択をして、開始ボタンを押します。
プレイヤー名を読み上げるたり、各ログの種類を読み上げるオプションはご随意に。
ちなみによく質問があるFATEやボスやNPCのログはsayに分類されています(わかりにくいっすね)。
なお含むテキストは、そのテキストを含む時だけ読み上げるようになります。空だとすべて読み上げます。また、正規表現で記述することもできます。
実行するとタイトルに実行中と表示されます。
終了はウインドウを終了すると終了します。
では、快適なエオルゼアライフを!
新生FF14攻略情報 エオルゼアガイドhttp://www.dopr.net/sinseiff14kouryaku/%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%B4%B9%E4%BB%8B
以上のサイトにて紹介していただきました~。
【開発者向け】 ソースコードについて
ちなみにソースコードはこちらでMITライセンスで公開しています。
https://github.com/sifue/ff14repbouyomi
言語は簡単なJavaで書かれていますので、少し心得のある方でしたら好きに変更してmavenでビルドし直すことができると思います。
更新履歴
2013/11/04 含むテキストのみを読み上げることができる機能を追加した1.0.5をリリース
Erlangの開発環境をWindows上のCentOS6.4に整える
仕事ではMacを使っているけれども、プライベートで使うPCは大抵ゲームのためにWindowsPCだったりするので、vagrant上のCentOS6.4開発環境を作るための手順をまとめておく。
VirturalBoxをインストール
vagrantをインストール
boxファイルは、
から好きなものを利用する。本番環境でもCentOS6.4を使うつもりなら
CentOS 6.4 x86_64 Minimal (VirtualBox Guest Additions 4.2.16, Chef 11.6.0, Puppet 3.2.3)
このあたりの構成が良さそう。
ターミナルエミュレーターは、
Tera Term
http://sourceforge.jp/projects/ttssh2/
configureするためにgccとは必要になりそうになものはsudu yum install gccで予めインストールしておく。
https://gist.github.com/voluntas/8911384
を参考にインストール。
これでerlコマンドやerlcコマンドが使えるようになる。
あと、vimも整備する。
vimは7.3以上をインストールしたいので
http://qiita.com/muniere/items/0569d05d470c5d3dc51b
をインストール
バージョン管理としてNeoBundleをインストール
https://github.com/Shougo/neobundle.vim
そして以下の設定をvimrcに追加。
erlang開発用に足すvimrc(NeoBundle前提)
を追加して
:NeoBundleInstall
する。
その後、
~/.vim/bundle/vim-erlang-runtime
のtest_syntax.erlがちゃんとシンタックスハイライトで表示されるか確認する。
ちなみに以下のコードはこんなかんじに表示される。
無論、makeの設定もしたので、:makeでシンタックスチェックもしてくれるようになる。とりあえずこれだけあれば最低限の開発はなんとか、大丈夫そう。
ただ、Linux上のvimの開発にこだわらないのであれば、IntelliJ IDEA UtlimateのErlangプラグイン使ったほうが楽そうではある。
個人用にIntelliJ IDEA Utlimate13のライセンスを買うかは悩ましいところ。
まだErlang入門仕立てなので、またビルドツールrebarとの連携が入ってきたら追記していきたい。