「アイディアは既存の要素の組み合わせによって生まれる」、この普遍の原理を1年前ぐらいに一緒にプロジェクトを進めていたメンバーから教えてもらいました。実際にこの原理を用いて、国際的なイベントを開いたりをしたのですが、今までなかなか原著を読む機会がなく今日やっと読むことができました。
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
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となっています。
自分も比較的他の人に比べるとアイディアマンであると自負していますが、やっている事はまったくこの通りですね。新しいアイディアは、既存の要素を組み合わせているだけにすぎませんし、そのためにやる事は、ひたすら資料とアイディアの種を集めることなのです。
自分の彼女が物書きのアイディアを作るとき、「ひたすら資料集を見ているだけでアイディアが降ってくる」という話を言っていましたが、これに全く合致します。そしてやはり人間は、部分的アイディアの種や資料的知識というものすぐに忘れてしまいますから、アイディア帳を作って知識を分類整理するという事は、最も効率的なアイディアの作成法の第一段階といえると思います。
この著者は広告分野の人で、広告のコピーなんかを作る際にこの手法を用いていたそうです。しかしながら、この手法は研究における仮説を立てる際にも、分析方法を練る際にもフル活用出来ます。むろん、モノを書くとき、企画を行うときなど、とりあえず人間の創造性を必要とする行為であればなんでもこの手法が活用できると言えるでしょう。
ただ、気をつけなければいけないのはこのアイディアを生み出す過程で重要とされるもう一つの要素「関連性を見つけ出す能力」というものです。これは”観察力”とも言えると思います。こればかりは習慣を変えたからといってなんとかなる問題ではありません。そう考えると、よりよいアイディアを生み出すために本当に重要なのは、観察し要素を抽出する能力、”観察力”養う事なのです。実はこれは以前やった国際イベントで一番痛感した事だったりします。
アイディアを生み出す方法の具体的な手法に、ブレインストーミングという会議のやり方があります。しかしながらこれも"観察力"を活用しなくては、全く良い結果を出す事ができません。物事をしっかり見つめる事ができなくては分類分けもできませんし、物事がどのような効用を発揮するのか分析もできません。そうするとそこから生まれるアイディアの種の質が、非常に低いものになってしまうのです。そうなると優秀なアイディアというのはなかなか生まれてきません。
つまりより良いアイディアを生み出すためには、より高い観察力を身につけなくてはならないのです。そして観察力を鍛錬した上で、このアイディアの作り方を実践すること、これが創造的人間に求められることなのだとと思います。